| 媛媛講故事―5 燧人氏取火(燧人氏、火を得る) 何媛媛 後羿(注1)は堯帝時代(注2)の神で、矢を射れば天下一といわれていました。伝説によると、後羿の妻である嫦娥は、もともとは人間の女姓でした。大変な美人でしたので、河神が気に入り、彼女と結婚したいと思いましたが、嫦娥はどうしても応じませんでした。河神は怒って、怪しい風を起こし、嫦娥の気を失わせてしまいました。河神が昏睡した嫦娥を奪おうとしたところに後羿が現れ、矢を射って河神の目を潰してしまいました。嫦娥は後羿に救われ、そして、二人は愛し合うようになり、夫婦の契りを結びました。河神は悔しがってなんとか復讐しようと策をめぐらせました。竜宮には、1本の神木があり、その木の上に九羽の金の鳥がいて、まるで竜宮の太陽そのもののように輝いていました。明るく、暖かく、竜宮の至るところを照らしていました。河神はこの九羽の鳥を解き放ち、後羿と嫦娥を焼死させようとしました。 九つの太陽が昇りました。本当の太陽を合わせ十の太陽がぎらぎらと人間を激しく照りつけ始めました。夜もなくなりました。河も乾ききり、農作物も育たず、人間も次々に太陽に焼かれて死ぬようになりました。後羿にはこれは河神の仕業だと分かっていました。 人間たちの災難は、間もなく天帝の知るところとなり、天下一の弓矢の達人である後羿を人間に遣して、九つの偽の太陽を退治するように命じました。後羿は天帝から一張りの神弓と十本の神矢を貰うと全身の力をこめて偽の太陽を撃ち始めました。 一つ、又一つ、悪魔のような太陽は射落とされてゆき、とうとう、元の一つだけになりました。後羿は輝かしい勝利を収め、人間たちは元のような穏やかな生活に戻ることができました。 天帝はその偉大な功績を称えてさまざまな褒美を後羿に与えました。しかし、これは他の神々の嫉妬を招ねき、無実のことをいろいろと天帝に言い付けました。天帝は終に讒言を信じ、後羿は人間の世界に格下げされることになりました。 後羿はその後、妻の嫦娥と共に人間の世界で狩猟を続けていたといわれています。 注1 中国の伝説で、9つの太陽を射落とした弓の名人として 知られている。 注2 中国神話時代の五帝と呼ばれているうちの一人。舜と並 んで 中国の理想的帝王とされている。 ******* 前に戻る TOPへ |
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